0-9studioが保有する音声制御技術(JP6503121; US11315536)を解説

音声制御技術(JP6503121; US11315536)は、環境/環境音を意図的に変換する技術
録音再生や電子回路ではなく、環境の発振(環境音)を音源とする
様々なハードウェア・ソフトウェアのオシレーターとしての実用化が見込まれる

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音声制御技術(JP6503121; US11315536)

 特許JP6503121は、環境音を任意の制御周波数成分、任意の制御振幅又は両者*を有する音に変換する技術です。環境系と音声制御(装置)系との間の音のインタラクションに基づくシステムで、音声を媒体とするインタラクション(二者間の相互作用、共働、相用)を行うハードウェアやソフトウェア、つまり人を含む意味での環境とコンピュータとの間のインタフェース(二者間の界面、境界面、接触面)、として実用化されることを想定します(特許公報図1-2参照)。

特許公報図1 インタラクション
特許公報図1 環境系と音声制御装置系との間のインタラクション[矢印付きの円]
特許公報図2 インタフェース
特許公報図2 アナログ領域とデジタル領域をまたぐインタフェース[矢印付きの円をまたぐ破線]

 関連領域は、音楽系インタラクションデザイン、音楽系インタフェースデザイン、音楽系バーチャルリアリティ、コンピュータミュージックなどです(図サウンドインスタレーション[音声表現を備える環境]における被合成行動参照)。AIなど、その他技術との相乗効果も見込まれます。もちろん、電子楽器や音楽制作への応用は言うまでもありません。

サウンドインスタレーションにおける被合成行動
サウンドインスタレーション[音声表現を備える環境]における被合成行動

 開発の背景には、現状ではなかなか環境音から音階を構成しうる調律音の構成等を実現できない、環境音を用いて雑音の類の音しか制御できない、といった課題がありました。それは現代の音楽家であれば、誰もが一度は諦めたことがある課題と言ってもかもしれません。

 しかし、アコースティック楽器のように、ある環境に属する生々しい臨場感ある環境音を楽音等として演奏できれば、音楽の可能性が広がるように思われました。たとえば、環境を音源として生々しい臨場感ある音を発する、オシレーター、ノイズ生成器、等です。

 本技術をサウンドインスタレーション(音声設備)、楽器、その他の音声制御機器として実用化するなら、特許公報図7−8を抽象的モデルとして参考にできます。ソフトウェア(アプリ)であれば、図9−11など。

特許公報図7 実用化のモデル(インスタレーション装置)
特許公報図7 装置としての実用化モデル
特許公報図8 様々な舞台芸術への応用(楽器、身体表現、など)
特許公報図8 舞台芸術への応用モデル 楽器、歌唱、ダンス
特許公報図9 小型装置としての実用化
特許公報図9 小型装置としての実用化
特許公報図10 小型装置を使ったフィールドワーク
特許公報図10 小型装置を使ったフィールドワーク

音声サンプル**

既存技術 原理的オシレーター[正弦波、三角波、鋸波、矩形波]
本技術 ある環境音をオルガン的合成音として変換 MIDIキーボードを使用して演奏
本技術 ある環境音をマイナーコードのコンピューターミュージックとして変換
本技術 ある環境音を比較的原型をとどめる合成音として変換
本技術 ある環境音をノイズミュージック的な合成音として変換
本技術の実用化例(既存技術としてのオシレーター[正弦波、三角波、鋸波、矩形波]に近似)
オシレーターとしての実用化例(原理的波形[正弦波、三角波、鋸波、矩形波]に近似)

* 本技術の制御周波数成分とは合成音制御の基準となる周波数のことで、制御振幅は同様に基準となる振幅です。

** 上記の他の音声サンプルは0-9studioホームページからダウンロードできます。

*** お問い合わせは、0-9studioお問い合わせページよりお願いいたします(https://0-9.one/contact)。


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